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キツネの神様の頼みごと その9
解決方法が自分では解らないときは、瞑想状態で、上とつながることにしている。
するとだいたい、答えが下りてくる。(必ずとは言えないのが苦しいが)
今回は特に全くどうしてよいか解らない。上に頼るしかない。
ゆっくり目を閉じて、深い瞑想状態に入って行く。
すると、また目の前にあの真っ白なキツネの神様が現れた。
「いやはや。どうにもうちの子狐が迷惑をおかけして申し訳ない。」そう言いながらもにこにこしている。
「そう思うならさっさと連れて帰ってよ」
「いや。そういうわけにもいかん。なにしろ、人間に捕まっとるからな。」
「何言ってるのよ!あなたの所の子狐もとい、化け物がとりついてるんじゃない。えらい迷惑よ。」
「いやいや。うちの子狐はあそこの息子に吸い込まれたんじゃ。」
「はあー?」
キツネの神様は事の次第を話し始めた。
人間はショックなことが起きたり、人に傷つけられたりすると、「心が傷ついた」という表現をするが、実は本当に魂に傷が付いた状態になるらしい。
その傷がどんどん大きくなると、肉体はどこも悪い所がなくても、心が病気になり、その辛さに耐えかねて、「誰か僕の変わりにこの苦しみをもらってー」「もう僕は生きてゆきたくない!」と叫び出す。
そして魂の傷口はしまいに大きな穴となり、回りに転がっている見えない「念」や「もののけ」を所かまわず吸い込んでゆく。まるで必死で傷口を塞ぐかのように。
そして入り込んできた「念」や「もののけ」はその人間の代わりに身体を支配し出す。
そして当の本人は奥深くに逃げ込んで見ないふりを決め込む。
「いい幸いに現実逃避しておるんじゃ。」
今回ちょうど近くにいたうちの子狐が運悪くあの息子に吸い込まれてしまった。
「元々わしら狐族はあんたらが思うほど性格は悪くはないんじゃ。」
犬科に属するキツネは、犬が飼い主に似た性格になるように、吸い込まれた宿主に性格が似てくるらしい。
「あそこまでおどろおどろしい姿になるのは、それだけ吸い込んだ息子の性格が歪んでいるからだ。」
こっちもえらい迷惑だとばかりにキツネの神様は話された。
事の次第がどうであれ、どうにかしなければ大変なことになる。
そこで
「どうやったらあの化け物を引き離すことができるの。」そう聞いてみた。
「外からは無理じゃよ。息子自身がうちの子狐を解放してくれれば別じゃが。」
そういうとキツネの神様は突然、
「おっと!時間じゃ。」そう言うなり、あわてた様子でパッとどこかに消えてしまった。
「ちょっと!待って!『時間じゃ』じゃないでしょ!勝手に消えないでよ!」
キツネの神様、あなたはウルトラマンかい。3分でカラータイマーが鳴り出すの?
解決するどころか、余計訳わかんなくなった。
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